ピンブラブログ

音楽と猫をこよなく愛する若干隠居気味のバンギャルブログ。

【2011】emmuree『雪月花』(2011年ver.)【名盤】


「雪月花」とは、中唐の詩人・白居易(はくきょい)が、友人・殷協律(いんきょうりつ)に詠んだ詩「寄殷協律」の一句「雪月花時最憶君(雪月花の時 最も君を憶ふ)」による語。

琴詩酒友皆抛我
雪月花時最憶君

琴詩酒の友 皆我を抛つ
雪月花の時 最も君を憶ふ

(かつては琴を弾き、詩を作り、酒を汲んで友と遊んだ。その友はみな私を置いて行ってしまった。雪の時、月の時、花の時がめぐって来るたび、大勢の中でもことに君のことが思い起こされる)

さて、emmuree初の渋谷O-WEST単独公演で配布されたこの曲は、2003年、DUMMY CHILDRENとのカップリングCD(廃盤につき現在入手困難)に収録された作品の再録ver.である。

当時の音源に比べ、たおやかさや浮遊感は減ったが力強さが増した。
名曲が再録されると「アレ?」ってなることが多いけどアンミュレはハズレなし。
ドラマティックな展開がプラスされて叙情的で。
楽曲自体から幻想的な雰囲気が伝わってくる。

アンミュレはいわゆる“暗黒系”“暗黒界隈”に括られてきた化石的な黒服バンドだが、この楽曲が持つ世界観はことさら白く、儚く、美しい。
日本人の琴線に触れる旋律が、郷愁感を誘う。

「雪月花」

冬の雪、秋の月、春の花。
四季折々…自然の美しい景物を指し、伝統的な日本の美の感覚を連想させるこの言葉を、歌とバンドの演奏だけでここまで表現できるなんて。
アンミュレ、12年の貫禄。

以前、『「侘び寂び」とヴィジュアル系』という記事を書いた。

そう、私の求める「和」…そして「侘び寂び」を的確に描いているのがアンミュレなのだ。
パッと見てすぐに分かる、明らかな“和風ヴィジュアル系バンド”ではないが、日本独特の湿り気や気候風土に根付いた「物の怪」のようなバンド。

また、白居易が殷協律に贈った詩の内容と現代のバンドを照らし合わせてみると、非常によく似ている。

いつの時代も、音を共に鳴らし、語り合った仲間がいた。
さまざまな形で、傍を離れて行ってしまった友たち。
眩いステージ、ひとときの宴。
置き去りにされた彼。
言葉にできない寂寥や懐古。

結成12年目のバンドが、今ここでこの楽曲を再録した意味を思う。

大切な一枚になりました。





※マジでベストに入りますように〜祈〜(12/31追記)↓

てゆうかアンミュレは会場限定増え過ぎ。
毎回楽曲クオリティー高いんだからちゃんとアルバムにまとめて売ろうZE!
ムラーは(多分)文句言わずに買うね!
そしてもっと多くの人に聴いて欲しい。
私が会場限定シングルとか配布物があまり好きじゃないのは、新しいファンが「この曲イイ!」って思っても容易に聴けないから。
自分が好きな曲でも薦め辛い。
ま〜、記念的なシングルは仕方ないけど。


太鼓判