ピンブラブログ

音楽と猫をこよなく愛する若干隠居気味のバンギャルブログ。

【2009】Angelo『METALLIC BUTTERFLY』【名盤】

PIERROTのキリト・コータ・タケオの3人によって結成されたAngelo
前作『REBIRTH OF NEWBORN BABY』から約2年、満を持してリリースされた2ndフルアルバムが、この『METALLIC BUTTERFLY』。

…てゆーか思い入れが深過ぎて客観的なレビューが書けません。


METALLIC BUTTERFLY(完全初回限定盤)(DVD付)METALLIC BUTTERFLY(完全初回限定盤)(DVD付)
Angelo

曲名リスト
1. The opinion by METALLIC FEELER
2. PANDEMIC
3. SISTER
4. 薔薇の花
5. SWEET GOD’S FLAVOR LAND
6. 極楽鳥
7. BUTTERFLY
8. CHAOTIC BELL
9. Prelude
10. STEADY
11. 薄紅の欠片
12. MICRO WAVE SLIDER
13. SIGN -mechanism of concealed clue-
14. ロザリオ

DVD
1. HE IS A MONKEY
2. CHAOTIC BELL
3. SISTER
4. 薄紅の欠片 (Making)

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まず、鳥肌が立った。
アルバムの纏う空気感・世界観が素晴らしい。

正直、才能なんてPIERROT時代で枯れ果てたと思っていた兄がここまでやるなんて…。

そもそも兄関連のアルバムが楽しみで楽しみで仕方なかったのはいつぶりだろうって、よくよく考えたら1999年リリースの『FINALE』以来なんじゃないかしら。
この10年間は一体何だったんだ。

期待通り、いやそれ以上。
聴き終えた後「ああ…ようやく戻ってきた」と思わず涙腺が緩んだ。

特に目を見張るのが、兄の声。
後期PIERROT〜キリトソロの頃に顕著だった汚いがなりは影を潜め、非常に艶があり、伸びのある声になっている。

楽曲自体も、奥行き・立体感のあるものが揃った。

パンドラの匣』の初期衝動、『CELLULOID』で確立したマニアックかつキャッチーな要素。
『FINALE』『PRIVATE ENEMY』『HEAVEN』3部作で提示した世界観。
『ID ATTACK』のポップさ、『FREEZE』のハードさ。
ソロで挑戦したさまざまな音への可能性、Angeloのライヴ感。

年数・経験とともに培ってきたもの全てが組み込まれ、より研ぎ澄まされたように感じる。
これは相当時間を掛け、細部まで練り込まれたアルバムなんじゃないかな。
バンド結成当初に懸念されていた要素(音質の荒らさ、アレンジの拙さ、単調なリズム、マンネリ化したメロディー、パターンが読める曲展開)が全て解消されている。

硬質かつ柔和。
シンプルでとても聴きやすいのに複雑怪奇。
噛めば噛むほど味わい深い中毒性。

凄く懐かしい気持ちが込み上げてくる。

PIERROT解散前後の不安定さは微塵も感じない。
当時の雰囲気を醸し出しつつも確実に前進している。

そして、久々に読み応えのある歌詞。
解散前後はプライベートや心境を晒すようなものが多かったが、今回は従来の物語的な要素を含んだコンセプチュアルなものに回帰している。
想像力を刺激するストーリーテラー的な部分が戻った。
ついでにあからさまな中二病や攻撃性はだいぶ薄れ(そりゃいいトシなんだからさ…)、そういう意味でも聴きやすい。

と、ここまで絶賛してきたが、敢えて書いておきたいこと。
激しく感情は揺さぶられるものの、兄が言うほどハードなアルバムではない。
むしろヘドバン曲だったら1stのほうが豊富。
いくら“METALLIC”とはいえ、スラッシュメタルデスメタルを想像しないこと(誰もしねーよ)。
どちらかというと、ミディアム曲が好きな方にオススメしたい。

とにかく感無量。
完成度は群を抜いて高く、間違いなくこれはAngeloの名刺代わりになる作品です。

・ラーをアガっちゃった人
・最近ラーをアガろうかと思っている人
・別にラーじゃないけどPIERROTは好き
・別にラーじゃないけどPIERROTのライヴにはよく行っていた
・キリトとかどうでもいいけどAngeloに興味が沸いた
・キリトとかどうでもいいけど硬派なヴィジュアル系が好き
・ぶっちゃけPIERROTは苦手だった

そんな人は是非手に取ってみてください。

一時期「は、PIERROTとかキリトとかどうでもいいしさよならさよならさよならピエラーだった自分にさようなら」と思っていた私がここまで出戻っているのだから(笑)。


1. The opinion by METALLIC FEELER
タケオのプログラミングによるインスト。物語の予兆を感じさせる。

2. PANDEMIC
新章の幕開けに相応しい、ハードなナンバー。しかし、うっかりタイトルに時事ネタが盛り込まれてしまう辺りが兄らしいというか(※歌詞の内容は豚インフルと関係ありません)。「Up set now」が「Show it now」に進化したようだ。激しいアウトロがヘドバン欲を掻き立てる。

3. SISTER
シングル曲。アルバム収録にあたり、さり気なくミックスされている。イントロ&間奏で見せるドラマティックな展開、Aメロ〜Bメロでグワーッと盛り上がり、サビでガクンと盛り下がる、独特のキリト節が炸裂。好き過ぎる。

4. 薔薇の花
初のコータ曲。ありそうでなかった、ポップでパンキッシュな楽曲。ベースがガンガン前に出ており、ギターワークも面白い。広がりのあるサビも秀逸。思いのほかAngeloに馴染んでいるし、マンネリ化防止のため、コータにはこれからもどんどん作曲して欲しい。

5. SWEET GOD’S FLAVOR LAND
「輪廻は初恋の調べ」というパンチの効いた一節に驚きを隠せない1曲。爽やかな音の波に身を委ねたくなる。それにしても、私はこれほど優し気な兄の歌声を未だかつて聴いたことがない。全体的に歌詞がエロスなのはきっとプライベードが充実しているせいだろう(多分)。お幸せそうで何より。

6. 極楽鳥
ミドルテンポながら、毒を孕んだヘヴィーなナンバー。バックで鳴るデジタル音が硬質で良い。これまでのAngeloはキリスト教モチーフの歌詞が多かったが、これは「曼荼羅」「菩提樹」といった単語が出てくる辺り仏教モチーフっぽい。兄の世界観は『聖☆おにいさん』に引けを取らず無宗教のようだ。楽曲自体は似ていないけど、どこかPIERROTの「鬼と桜」を連想させる。

7. BUTTERFLY
兄お得意の幻想的で美しいバラード。このアルバムを象徴するような楽曲。切なく儚いメロディーがグッとくる。「何度でも」でブレイクする部分、早くライヴで味わいたい。

8. CHAOTIC BELL
シングル曲。これもミックスされている。「BUTTERFLY」からの流れがニクイ。PIERROTを吹っ切り、過去を受け入れ、前に進み始めたバンドの姿を描いているような名曲。アップテンポで、ライヴ感溢れるアウトロも良い。あまりにも鐘の音鳴らし過ぎてiPodの再生回数が異常。

9. Prelude
イントロのズシリと腹にくるドラムがライヴの光景を彷彿させる。どことなく初期PIERROTやプラエネのダークな雰囲気に近いかな。エフェクトを掛けた兄の声も味があって良い。

10. STEADY
PIERROTの「MASS GAME」を彷彿させるギターリフや、変拍子、歌詞のリフレインが印象的。イントロで変なフリを付けたくなるのはラーである所以か(笑)。やはりサビはパッと開ける感じ。

11. 薄紅の欠片
シングル曲。兄十八番の桜ソング、今回は藤原いくろう氏率いる「MИP(ミール) Japan」が参加。大胆に取り入れられたピアノ&ストリングスの音が綺麗。単品よりもアルバムの流れで聴いたほうがしっくりくる。Angeloの世界観に広がりを与えたという点で、藤原氏には感謝してもし切れない。

12. MICRO WAVE SLIDER
疾走感溢れるキラーチューン。兄にしては珍しく殆どが英詞。ロス帰りのせいかマーティに教えて貰ったのか知らんが、「ソングライターとして一皮剥けた」と豪語しながらもエキサイト翻訳を駆使して歌詞を書いている彼を想像すると非常にキャンプ精神がそそられるんだけど(笑)。数少ない日本詞が「究極の性衝動」ってアンタ…。イントロはもう一小節短くてもいい気がした。つーかライヴでちゃんと歌えんのか。

13. SIGN -mechanism of concealed clue-
ライヴでもお馴染み、カップリング曲のリテイク。イントロがダイナミックになり、いっそう格好良く。

14. ロザリオ
ヴァイオリニストの弦一徹(落合徹也)氏が参加。全編に渡り起用されたヴァイオリンの演奏は圧巻。冒頭のギターも渋く、どこか郷愁感を誘う。それでいて希望の見える、力強いミディアム・バラードに仕上がっている。歌詞が際立って良いが、個人的な解釈だと、「例え荒野で朽ち果てようとも魂は輪廻する」というのがテーマかしら。PIERROTの「CHILD」の続編みたいな。そう、まさにこういう世界観を待っていた!(泣)コレのPVが物凄く見たい。


太鼓判 太鼓判


プロ鮭↓