ピンブラブログ

音楽と猫をこよなく愛する若干隠居気味のバンギャルブログ。

さよなら「PIERROT」〜PIERROTと終末論:中二病患者を惹き付けたその魅力〜

前述した2つの“事件”。
これだけ見ると、何だかPIERROTは単に過激な発言、派手なパフォーマンスを行っていたバンドとしか捉えられないかもしれない。
そんなV系バンドが何故、ピエラーの心を虜にしていったのか、今度は世界観の方面から考察していきたいと思う。

まずPIERROTがブレイクしたヴィジュアルバブル期は、1998年前後、世紀末のまっただ中。
ノストラダムスの大予言通り、1999年には人類が滅亡するんではないかと言われていた時期だ。
それを完璧に信じずとも、何となく「大人にならないうちに世界は終わっちゃうんだ」と思っていた少年少女も多く存在しただろう。
それに呼応するかのごとく世界の終末を歌ったV系バンドは数知れず(漫画もソレ系が溢れてたよねー。1999年が過ぎても完結しないやつばっかりだったけど笑)。

中でも、PIERROTはそういったストーリーを歌詞の中で何度も繰り返し歌い続けている(「クリア・スカイ」「蜘蛛の意図」「壊れていくこの世界で」などなど)。
しかし、キリトの歌詞で他者と少し違うのは、「例え世界が終わろうとも2人は再び出会える」という部分。
絶望の中に希望を見出したのだ。
キリトが“語り部”となり展開される、さまざまなストーリー。
終末論以外にも、輪廻転生、遺伝子的な何か、社会派的な何か、などなど盛り沢山。
これだけでもう、中二病を患う思春期の若者のハートをがっちりと鷲掴み!
そしてどこか辻褄が合わず、完結せず、ツギハギだらけの物語だからこそ、勝手に解釈したがるファンの柔軟な妄想力は大爆発である。
更に、それぞれの曲もことごとく関連付けられていた。

【一例】
■「クリア・スカイ」「MAD SKY -鋼鉄の救世主-」←このタイトル辺りから薄々とお兄ちゃんのセンスのアレさは感付いていた(余談)
■「ハルカ…」「カナタヘ… 」
■「MOTHER scene II」「CHILD」
■「神経がワレル暑い夜」「神経がワレタ寒い夜」
■「AGITATOR」「FOLLOWER」
■「THE FIRST CRY IN HADES (GUILTY)」「THE LAST CRY IN HADES (NOT GUILTY)」

…何かにつけて関連付けたがり症候群である(キリトを含めピエラー全体が)。

ここで重要になってくる歌詞だが、もし万が一、キリトの歌声がもっと洗練されていて、もしくはヴィジュヴィジュしく聞き取り辛いものだったら、それほどファンの心には届いていなかったかもしれない。
元々ロック畑の人間ではない彼は、英語などは殆ど使用せず、日本語で分かりやすい単語(僕、君、2人などなど)と印象的な単語(丘、怪物、景色などなど)を組み合わせた歌詞、それを耳馴染みの良いメロディーに乗せて歌った。
これが成功した所以だと思う。

またAngeloでその封印を解いた「BIRTHDAY」では、「そこにいるだけでいいから」とファンの存在を肯定してくれている。
稀代の名曲「HUMAN GATE」では、「それでも生きていかなければ」と世知辛い世の中で生きる人間の姿を描いていた。
こういう部分も、孤独を感じている思春期の若者にとってはたまらなかったんじゃないかな。

その上、フロントマンであるキリトはもちろん、楽器隊の個性も確立していたのだから…そう、いわゆる「ヤオイ文化」バンギャル(※こちら参照)が飛びつかないはずはありません。
世界観に加え、メンバーのキャラクター、バンドのサクセスストーリーがまさに同人的だった。

こういった事柄が上手く功を奏し、PIERROTは一大ムーヴメントを築き上げたのである。

PVでも終末論が大好きな若者のハートをがっちりと鷲掴み↓



そろそろ終わりたいんだが続く