ピンブラブログ

音楽と猫をこよなく愛する若干隠居気味のバンギャルブログ。

さよなら「PIERROT」〜元ピエラーが冷静かつ盲目的な視点で考察するPIERROT その1〜

『私が「ヴィジュアル系」だった頃。』の第4章「キリトと、『PIERROT魂』を再確認してみた。」では、キリトとの対談を通し、当時物議を醸した“事件”の数々、メジャーデビュー以前の話などが語られている。

その中で市川氏は、「キリトって構造的に〈ひとりX〉みたいなとこがあると思うんだよ」と表現しているんだが、言い得て妙。
めっちゃ分かりやすい。

PIERROTは、ヴィジュアルバブル期においてガチガチに固めたコンセプト・ワーク(音楽性だったり世界観だったり)によって異常な人気を博したバンド。
事実上、その主導権(鍵)を握っていたのは、やっぱりリーダーでありヴォーカリストであったキリトだろう。
だからPIERROTを語る=キリトを語るということになると思うんだけど。
それを踏まえた上で紹介したい、PIERROTを代表する2つの印象的な出来事がある。

まずは1999年、富士急ハイランド・コニファーフォレストで行われたマリリン・マンソン主催の「ビューティフル・モンスターズ・ツアー」(詳しくはWikipedia概要を参照のこと)。
大物外国人アーティストがひしめく中、どいうわけかデビューして1年足らずのPIERROTが主催側の依頼で参加。
もちろん、世間一般的に偏見の塊であるV系バンドの彼らが洋楽ファンに歓迎されるわけがない。
そこでキリトはMCでV系史に残るトンでも発言をかましたのだ。

以下本書から抜粋。

洋楽ファンの皆さん、初めまして。僕らがあなたたちの大嫌いな、日本のV系バンドです。〜略〜洋楽ファンの方たちにとってはこの時間がトイレタイムということで―皆さん相変わらず外人相手にヘラヘラやってますか?日本人が憎くてしょうがないですか?あなたたちの国籍は一体どこなんでしょう。〜略〜きっと今、僕は滅茶苦茶憎まれてるんでしょうね。PIERROTファン、聞いてるか?〜略〜さっきトイレに立って行った人たちも含め『まーだ演ってんのかよ?』ってくらいたっぷり演ってやるから、俺たちの気狂いぶりを見せつけてやろうぜ!
…実際この光景を目の当たりにしていないが、後日談を読んだだけでも痛快である(この一件に関しては、キリト著『思考回路』で詳しく語られているので、興味のある方は手に取ってみてください)。

コンプレックスの塊のように「どうせ俺たちヴィジュアル系だし(笑)」などと思っている一部のV系バンドマンたちにこそ投げ掛けたいセリフ。
自分の立ち位置に対して誇りを持てないようであれば、いっそ手放してしまえばいいんだよ。
そういう意味でも、私はこのトンでも発言が大好きだ。

若気の至りと言ってしまえばそれまでだけど、この一件がなければ、キリトソロにおいてマーティ・フリードマンミック・カーンと肩を並べることはできなかったと思う。


続く


4789718298思考回路
キリト
ソニーマガジンズ 2002-03

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