ピンブラブログ

音楽と猫をこよなく愛する若干隠居気味のバンギャルブログ。

ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド(PG-12)

フライヤーが配布されたときから、「双児もの&バンドもの大好きな私が見ないわけにはいかない!」と思っていた映画『ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』。
いやーこりゃ参りました、良かった。
好きな人は好きで、駄目な人はとことん駄目だと思う。
だって終わったあと、後方の席にいた男子が「あー眠かった…」なんて呟いていたもの…。
あの、下手なホラー映画見るより恐怖だったんですけど。
よくあの内容で寝られるな。
まあ感じ方は人それぞれってことで。

◆ストーリー
1975年、イギリス。結合体双生児ロックバンド「ザ・バンバン」衝撃デビュー。体の一部が結合している一卵性双生児の兄弟・トムとバリーは、人里離れた岬でひっそりと暮らしていた。しかしある日、父親に高額な契約金で興業主・ザックのもとへ売り渡された2人は、パンクロッカーとしての道を歩むことになる…。離れようとしても決して離れることのできない、彼らの栄光と苦悩、悲劇の人生に迫る音楽ドキュメンタリー。

(以下激しくネタバレ)

…という設定で描かれた“ドキュメンタリー風”の異色ドラマ。内容から宣伝の仕方、パンフレットまで、実は壮大な釣りなのでした。私は事前にそういう設定だと知っていたので騙されませんでしたが。ほんとにドキュメンタリーかと思う程、撮り方が秀逸。画面のザラザラとした質感、関係者へのインタビュー場面…。監督がもともとドキュメンタリー出身だそうで、ああ、流石だなあと。物語のところどころに入る「この映画は釣りですよ〜」と匂わせるシーンやフラッシュバックが、ドキュメンタリーではないことを告げています。久し振りに唸りました。巧い。美しい。そして内側から迫る恐怖。役者の演技も自然でいいね。

主人公の彼らは、実際結合体双生児ではないけど、本物の双児さんです。物語の冒頭ではどっちがどっちだか見分けがつかないんだけどね、途中からそれぞれの個性が際立ってくるの。シャツを捲り、その部分を見せ付けたライヴ以降、顕著に。最初は垢抜けない素朴な田舎っ子だったのにさー顔つきがどんどんパンクロッカーになっていくの。ニコチン、アルコール、ドラッグ、女。欲望にまみれた音楽業界に次第に侵蝕されていくうちに。

物静かで優しいけど、内に秘めた強さを持っているトム。
気ムラが激しくて反抗的だけど、実はとても繊細なバリー。

(私はバリー派…もゆる)

離れようとしても決して離れることのできない2人。
そして最期は共に土へ返って行く。

それだけでもゆるぜ。

つーか、そんな2人の仲を掻き回したあの女がウザいぜ。

おいおい、どうせなら2人まとめて愛してやれよ。

バリーだけ放置プレイかよ(そりゃ鬱にもなるよ)。

結局いつの時代も女がバンドを破壊するんですねーあーこれだから女って嫌い。

でー、マネージャーのヒゲ親父、バリーのこと大好きだろ。
最初は苛めてたのにさー、最終的に一番気遣っていたのは奴じゃないか。

あと、本作に登場するファンのライヴ後のテンションがバンギャルそのものだ。

腐女子は国境を越えているもんなんですね)

ええ、そうやって彼女たちはひとつのバンドに転がるのです。
このバンドが実際にいたら私も通っていそうだ。

でも駄目ーそこには触らせないで!
2人の大切な部分だから!
聖域!

あーまあ、腑に落ちないストーリー(何かが足りないと感じる部分)は脳内補完させることで極上のものとなります。
あまり過剰な期待を抱いて見ると、肩透かしを食らったような気分になるので、これからチェックしようとしている人は要注意。
ついでに心臓が弱い人にはオススメできません。
でも、ラストは静かに涙の溢れる映画です(悲しいとかじゃないんだけど)。
痛々しくて切ない。
もしかしたら、歴史に隠されているだけで実在したのかもしれない…なんて考えてしまう。

◆ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド
http://brothers-head.com/

さて、早速HMVサントラを購入。
んーこれの日本盤はないのかしら?
でもオリジナルの方が雰囲気出るので良しとしよう。
そもそも私は洋楽の日本語訳が好きではありません。
大抵、たいした歌詞じゃないことに気付いて冷めるので。
パンカーなら歌詞なんかいちいち読んでんじゃねえよ!
感じろよ!
そんなウザいことを思いながら聴いてみる。
ほー。
あ、これね、映画で演奏されてた方が断然いいわ。
そしてやたら音質の良いMac&イヤフォンで聴いてはいけません。
それこそテープに落としてアイワのラジカセで聴くべきです。
70年代UKパンクが好きな人ならツボるはず。
ピストルズより少し暗め。

原作もあるみたい。

ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド

あと、シャム双生児の物語だったら萩尾望都の『半神』を是非ご一読あれ。
これは相当トラウマ。

半神

どうでもいいけど、オフィにある有名人の映画感想コメントって何であんなに寒いんだろ(どの映画でも)。